「新しい世界」バージョン5に期待すること

話題・意見

5/21超DQXTV放送

次回の第10回超ドラゴンクエストXTVでは「新しい世界」の情報があると発表されています。

どんな情報かは気になるところですが、今回はバージョン4までを振り返りつつ、この「新しい世界」に私が期待することを書いていきます。

新しい世界という表現

これまで公式情報ではバージョン5とは言わず新しい世界という表現を使っています。

バージョン4の時はどうだったのかと調べてみたら、新しい世界とは言わずにバージョン4と言っていましたね。

だからこの新しい世界というのはバージョン5ではないなにか特別なものだというような予想もあるようですが、私はほぼ間違いなく今までの延長のバージョン5だろうと思っています。

バージョン5ではなく新しい世界と表現しているのは、単に今の開発運営のドラクエ10に対する考え方が現れているのではないかな、という気がします。

開発運営の考え方

これまでの情報発信や実際にバージョン4で作られたものからみて、今の開発運営にとってのドラクエ10開発とは、ムービーを含むストーリーとその舞台になるエリアを追加することが大部分だと考えているのだろうと思います。

だから、「新しい世界」というわけでしょう。ムービーとエリアの追加を重視しているのが見て取れます。

この点を意識して過去の開発運営だよりを読み直してみると、新しい世界ではなくバージョン4と表現していた斉藤前Dの考え方はかなり違いますね。

これは 前回のDQXTVの中でも 言葉にしてしまったことですが
バージョン2.0のリリース後直後からこれまでの間 僕の心の中には 常に「遊びが足りない……」という危機感があり
「終わらないゲームデザイン」「終わらないゲーム開発」「終わらないサービス運営」というものが
ここまで大変なものなのかと感じながらも とにかく目の前の目標に向かい走り続けるということを
ずっと行ってきた感じです。

「遊びが足りない」という危機感を感じていたという言葉からも、プレイヤーの日常的な遊びに目を向けていたのがわかります。
ただ、その「遊び」が本筋のゲーム性から孤立したものが多く、ほとんど使い捨てになっていったというのが前D時代の問題点だったと思います。ちなみにこの問題は今も変わっていませんね。

今の開発運営はプレイヤーの日常の遊びよりも、ストーリーの評判を強く意識しているように思えます。

パクレ警部の事件簿問題を振り返る開発運営が緊急に謝罪コメントを出し、追加クエストを作るという異例の事態になった、パクレ警部の事件簿。 このパクレ問題を振り返ります。旧ハレサレポートからの復刻記事。…

サブストーリーのパクレ警部の事件簿の件での慌てようからもそれがわかりますね。

「遊びが足りない」

斉藤前Dが常に危機感を感じていたという、「遊びが足りない」。
私はこれは正しい認識だったと思っています。

ストーリーの構造問題

一番大きい原因は、もっとも開発リソースを割いているストーリーというコンテンツが遊びの中核になるには不足だからだと私は考えています。

なぜコンテンツ不足になるのか・ストーリーの構造問題

どうしてそうなるかは上の記事で考察していますので、そちらもあわせてどうぞ。
この記事に書いたような問題に対処しないままストーリーを作る事に注力すれば、開発が大変な割にプレイヤーの遊べることは大して増えないという結果になるでしょう。

バージョン4期間で新エリアはいくつも追加されてきましたが、普段そこで過ごす時間というのは短いです。
キラキラマラソンと調律クエストを日常的にやる人くらいしか用がなく、ストーリー中もさっと通り過ぎるだけだからですね。

ストーリーのムービーも新エリア追加も、非常に開発リソースを多く費やしていると思われるのに、今のままでは遊びを増やす効果は小さいです。

ミニゲームの寄せ集め

もう一つは、ストーリー以外の追加コンテンツがRPG本来のゲーム性からは独立した、いわゆる「ミニゲーム」的なものが大部分になっているということですね。

上に書いた通り今のストーリーのあり方ではコンテンツとしては不足なのですから、それに代わるプレイヤーの目標/成長/達成のサイクルの場が必要ですが、これが物足りないです。

ミニゲーム的なコンテンツは、キャラクターの目標/成長/達成というRPGの大筋のゲーム性から切り離されていて「やらなくてよい」ので、すぐに廃れてしまう運命です。

「やらなくて良い」の行きつく先

この記事でも考えてみたテーマです。

バトルトリニティや各種イベントはミニゲームそのもの。

聖守護者の闘戦記は「操作の上手さ」がゲーム性の中心であり、成長の要素はほぼないのでやらなくてよいミニゲーム的な存在です。

防衛軍やゼルメアは、ゴールド稼ぎの代替手段という意味あいが大きいので別にやらなくてよい。
防衛軍は防衛さえできれば成果は同じという点で、目標としても弱いです。(高速討伐周回は例外として)

こうして、多くのプレイヤーの日常の遊びはバージョン1や2の時代からあるような日課週課などから変化しないのです。

過去の傑作コンテンツの喪失

追加コンテンツでの遊びの不足は主にベテランプレイヤーに対しての問題ですが、新規プレイヤーにとっての遊びも足りなくなってきています。

通常迷宮は今でも遊べるか

こちらの記事などで考えたように、過去にはうまく機能していた遊びの場も今はもう機能しなくなっているものが多いからです。
なのでそれを補うために、途中をできるだけショートカットできるようにしています。

このため新規プレイヤーもベテランプレイヤーと同じ「遊びが足りない」状態になってしまうまでの期間が短くなってしまっていると思います。

バージョン5に期待すること

以上のような現状からバージョン5に特に期待することは、目標/成長/達成のサイクルを日常の遊びに復活させて、世界に活力を取り戻してほしいということですね。

これは、一部のバトル巧者のための難関コンテンツを増やすというのとは違います。

初心者からベテランまで、どの段階でもだんだん自分のキャラクターを成長させてその成果を実感し、また次のステップに進むというようなRPGらしい魅力を持たせて欲しいということです。

そのためには、キャラクターの成長の幅というものがもっと必要です。

成長に幅がないと、キャラクターの育成よりも操作テクニックがものをいうゲームになるしかありません。最近のコンテンツを見ればわかると思います。
キャラクターを育成することは割と誰でもできますが、操作の上手い下手は個人差が大きいのでプレイヤー間の分断が起こりますし、テクニックというのはRPGの大筋のゲーム性とは独立しているので廃れやすい遊びになります。(ミニゲーム化)
そもそもドラクエ10の操作UIからして、即時性の高い操作とは相性が極めて悪いです。

セミオート操作があってもいいのではないか

操作の不自由なアクションゲームにならないために

これらの記事でも考えてみたテーマですね。

ストーリーについても、ソロ仕様は仕方ないにしてももう少しRPG的な育成要素を組み込んで、コンテンツとしての寿命を延ばしつつ、新規プレイヤーの目標としての意味も強化してほしいと思います。

「おはなし」にあると良いと思うもの

例えば、こちらの記事で考えたような案とかですね。

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