スマホゲームのガチャは、何が当たるかわからない興奮を手軽に楽しめる一方で、「確率が見えにくい」、「欲しい物が必ず手に入るとは限らない」といった声も根強いです。
ガチャ確率の不透明さをめぐり、抽選履歴を誰でも検証できるブロックチェーン搭載システムが注目の的に。
こうした仮想通貨事情をいち早く察知した、ビットコインおくりびとの現在が示すように、仮想通貨は個人に巨大な富と透明性を同時にもたらし、新たな価値観をゲーム市場へ輸入しつつあります。
ガチャ文化が抱える透明性の壁
日本のガチャは多くのエンタメを支える一方で、確率表示の不透明さが長年の課題となってきました。
景品表示法の改正によって提供割合の公開義務は強まりましたが、サーバー側で設定されたテーブルをユーザーが検証する手段は依然として限られています。
そのため「提供割合を信じるしかない」という状況が続き、高額課金に発展するケースも少なくありません。
ブロックチェーンがもたらす“所有できるガチャ”
NFTに紐付いたアイテムはブロックチェーン上で取引履歴が公開されるため、ユーザーは獲得後に自由に売買・保管ができます。
従来の課金アイテムはゲーム運営会社のサービス終了とともに消滅する運命でしたが、NFT化されたキャラクターやカードは第三者マーケットへ移動できるため、資産価値が残りやすい点が大きな変化です。
加えて、スマートコントラクトで生成手順を公開すれば「本当にランダムか」がプログラムレベルで検証できます。
スマートコントラクトで確率を“見える化”
コントラクトコードにガチャの提供割合と乱数の生成方式を固定すれば、第三者がトランザクションを追うことで当たり外れの公平性を監査できます。
海外のGameFiタイトルでは、GitHubにコードを公開し、検証済みマーク付きでユーザーに提示する事例が増えており、日本企業でも同様の手法を導入する動きが出始めました。
透明性が確保されることで、過度な課金を抑止しつつファンとの信頼関係を構築しやすくなります。
敵か味方か規制環境
2025年6月に可決した改正資金決済法は、仮想通貨を取り扱う“仲介業”という新カテゴリーを新設し、ゲーム会社がトークンを扱うハードルを下げました。
同時に利用者保護を前提とした登録制が導入されるため、認可を受けた企業のガチャが「合法的に資産を扱う仕組み」として受け入れられる土壌が整いつつあります。
もっとも、NFTを有償ガチャで提供する場合は賭博罪の判断が残るため、乱数の透明化やアイテム価値の設計が重要になるでしょう。
国内発Web3ゲームが示す未来像
5月に海外4取引所へ同時上場したTOKYO GAMES TOKEN(TGT)を軸に、『TOKYO BEAST』のような大型タイトルが仮想通貨とガチャを融合したエコシステムを作り始めました。
TGTはImmutable zkEVM上で発行され、ゲーム内外で一体となった経済圏を設計しているため、ユーザーはガチャで得たNFTをステーキングに回し、更なる報酬を狙うことも可能です。
仮想通貨とガチャが結びつくことで、ユーザー体験は「買って終わり」から「参加して育てる」へとシフトしつつあります。